第45回大阪資料・古典籍室1小展示 平成13年11月20日(火)〜平成14年1月30日(水) |
大正時代末の大阪の雑誌 |
大正時代創刊の雑誌は、慶応−昭和の創刊号約七千点のリストである『雑誌・創刊号蔵書目録』によると、526誌ある。当館所蔵分だけでも各分野にわたり100誌を越える。中でも興味深いのは、個人出版の雑誌である。凝った装丁で、和綴じにしたり、読みやすい小型のものが多く、表紙にも画家の絵が美しくならび、内容は、自分の消息や文章以外に投稿によって構成されている。以前に展示した、大正4年から30年にわたる『上方趣味』、大正13年から昭和4年までの『大大阪』に続き、今回『あのな』、『典籍之研究』、『難波津』、『和多久志』を展示します。 これらの雑誌は、いずれも大阪で大正時代末に出版され、同時代を共有したようで、『あのな』の創刊のことばに、「此頃は趣味の方々が消息の御報告、又は、御商賣用にしても誠に簡易な可愛らしい印刷物を各方面から澤山頂戴致しますので自分も又…」とあるように、盛んな出版が、また出版の意欲を刺激したのかもしれない。各誌の執筆者名をみると、自分の雑誌だけでなくお互いの雑誌のなかに名前がみられ、読者欄などにもでてきたりするので、使い分けされている號から推測しても交流がしのばれる。
展示資料『あのな』 第1集〜第6集 大正13年〜昭和4年 72冊 571−467# 『典籍之研究』 第1号〜第6号 大正14年〜昭和2年 6冊 雑−939 『難波津』 第1号〜第20号 大正13年2月〜大正14年10月 『和多久志』 第1号〜第11号 大正9年〜昭和3年 11冊 雑−2344 |